かさいやブログ

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葛西屋七代目当主が定期的にお送りする徒然日記

2010.07.17

曲尺と鯨尺(かねじゃくとくじらじゃく)

 読売新聞朝刊に『見聞録2010』というコーナーがあります。
先日、そのコーナーで『落語家入門』をテーマに書かれた記事が
ありました。
落語家の帯についての見聞録ですが、落語家は、粋な着物の着方
を演出するために、通常より細めの角帯を締めるのだそうです。
通常の献上帯より細いオニ献上帯、通称『オニケン』。非常に興味
深い内容でした。
その内容自体は大変勉強になったのですが、その中で、帯の幅に
関する記事が気になりました。
通常の献上帯の幅が2寸4分(約7.3センチ)
オニケンが2寸(約6センチ)
んっ、待てよ、2寸なら、1寸が3.78センチだから、約7.6
センチだよな。2寸4分なら、約9センチだろう。あれっ、でも
俺の思い違いかな?じゃあ、店の商品の幅を計ってみよう!
で、計ってみました・・・9センチ。。。
どうやら、この記事を書いた記者さんが、1寸を約3センチで計算
していたようです。
ということは、曲尺(かねじゃく)で、計算したようですね。
たぶん、取材先の帯屋さんでは、尺単位でしか教えてくれなかった
のでしょう。
でも、呉服の世界では、鯨尺を使用するのです。一部の地域では、
曲尺を使用する
ばあいもあるようですが・・・。
曲尺は、大工さんが使う単位です。
長さの単位は難しいですね。明治維新前のメートル法が採用され
る前は、結構混乱してたのかなぁ?、と思う、ロマンに浸る今日
この頃です。(晃)